JISS式┃徐脂肪体重ベース
除脂肪体重 × 28.5 kcal で基礎代謝量を計算し、活動係数(トレーニング係数)をかけて推定必要エネルギー量を算出します。筋肉量が多い(体脂肪率が低い)場合はこちらの計算式がおすすめです。
※除脂肪体重(LBW)とは、体脂肪を除いた体の重さのことを指します。
計算式:除脂肪体重 = 体重 × (1 − 体脂肪率 ÷ 100)
※計算結果はあくまでも目安です。体調や個人差によって異なる場合があります。
基礎代謝量とは
基礎代謝量とは、生命を維持するために最低限必要なエネルギー量のことです。
私たちが何もしていなくても、呼吸や心臓の拍動、体温維持などの活動のために体はエネルギーを消費しています。これが「基礎代謝」と呼ばれるものです。
特に健康維持やダイエット、栄養管理、スポーツ栄養の観点から、自分の基礎代謝量を把握することはとても重要です。
このツールの目的
体脂肪率から除脂肪体重を算出し、そこに「28.5kcal」をかけることで基礎代謝量を求める仕組みになっています。さらに、日常の活動量に応じた「活動係数」をかけることで、1日に必要なおおよそのエネルギー量(推定必要エネルギー量)を計算できます。
特にこの方法は、筋肉量が多く、体脂肪が少ない人に適しています。筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費するため、基礎代謝が高くなる傾向があるからです。スポーツをしている人や、身体を引き締めたいと考えている人にとって、より実態に近いエネルギー量を知ることができます。
また、基礎代謝や必要エネルギー量を知ることは、健康的な食事管理や体重調整を行う上で非常に重要です。このツールを活用することで、目標に合わせたエネルギー計画を立てやすくなります。表示される数値はあくまで目安ですが、日々の健康管理に役立つ有益な指標となるかと思います。
● JISS式の基本計算式
基礎代謝量(BMR) = 除脂肪体重(kg) × 28.5 kcal
除脂肪体重 = 体重(kg) ×(1 − 体脂肪率 ÷ 100)
例)体重:60kg
体脂肪率:20% の場合
① 除脂肪体重 = 60 × (1 – 0.20) = 48.0 kg
② 基礎代謝量 = 48.0 × 28.5 = 1,368 kcal
入力項目について
体重(kg)
体重は、除脂肪体重(筋肉や骨など、体脂肪を除いた重さ)を計算するための基本となります。体重が正しくないと、そこから先の計算もすべてズレてしまうので、なるべく正確に入力しましょう。
体脂肪率(%)
体脂肪率は、体のうちどれくらいが脂肪でできているかを示す数値です。JISS式では、体脂肪率を使って体重から脂肪の重さを引き、除脂肪体重を求めます。体脂肪率は、家庭用の体組成計や、ジムなどで測定することができます。
活動係数(1.3~3.0)
これは1日の運動量や活動レベルを表す数値で、「どれくらい体を動かしているか」によって決まります。例えば、デスクワーク中心で運動をあまりしない人は「1.3」程度、部活動などで毎日運動している人は「1.7〜2.0」、アスリート並みにトレーニングしている場合は「2.0〜3.0」となります。この係数を基礎代謝にかけることで、1日に必要なおおよそのエネルギー量がわかります。
検査結果の見方
計算結果として以下が表示されます。
●基礎代謝量(kcal /日)
基準値 × 体重 で算出された、1日の安静時消費エネルギー。
●推定必要エネルギー量(kcal /日)
活動レベル(低・中・高)に応じた、1日の総消費エネルギー量の目安。
検査結果として表示される「基礎代謝量」と「推定必要エネルギー量」は、それぞれ異なる意味を持ちます。まず、基礎代謝量とは、何もせず安静にしている状態でも消費されるエネルギー量のことです。呼吸や体温維持、心臓の動きなど、生命を維持するための最低限のエネルギー消費を示しています。
一方、推定必要エネルギー量は、基礎代謝量に日常の活動レベルを加味したもので、実際に1日に必要とされる総エネルギー量の目安です。活動レベルが高いほど、推定必要エネルギー量も増加します。
結果はあくまで推定値であり、筋肉量や体脂肪率、生活習慣、健康状態によって個人差があります。そのため、数値を参考にしながらも、日々の体調や体重の変化を観察し、適切な食事や運動計画を立てることが大切です。
もし結果に不安や疑問がある場合は、医師や栄養士など専門家に相談することをおすすめします。
注意点・補足情報
● 本ツールの結果はあくまで推定値であり、個々の筋肉量・代謝・生活習慣により前後します。
● 医療目的での利用や、厳密な栄養管理には専門家の指導を受けてください。
● 厚生労働省が公表している基準に基づいており、日本人に適した推定式です。
● より個人に適した計算式や代謝モデルについては、以下のリンクをご参照ください
→ Harris-Benedict式 基礎代謝量の計算(医療者向け)
→ 基礎代謝基準値┃日本人をベースにした基準値
よくある質問(FAQ)
Q. 基礎代謝と消費カロリーは違うの?
A. 基礎代謝はあくまで「安静時の消費エネルギー」で、運動や生活活動によるエネルギーは含まれません。日常生活全体の消費カロリーは、運動量を加味した(活動係数を乗じた)「推定必要エネルギー量」で考えます。
Q. 活動係数とは?
A. 日常の活動レベルに応じて、基礎代謝量に掛ける係数です。
例:デスクワーク中心なら1.5、運動習慣がある人なら1.75〜2.0など。
Q. 結果が思ったより低いのですが?
A. 筋肉量や体温、生活習慣によって実際の代謝は変動します。
あくまで平均的な基準値に基づく推定値です。
関連リンク
👉 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
👉 JISS式 基礎代謝量計算(アスリート向け)
👉 Harris-Benedict式 基礎代謝量の計算(医療者向け)
👉 基礎代謝基準値┃日本人をベースにした基準値
👉 厚生労働省|加齢とエネルギー代謝(e-ヘルスネット)
👉 厚生労働省|1日のエネルギー消費構成(PDF)