「Harris-Benedictの式」について

計算式のひみつ 計算式のヒミツ
計算式のひみつ「ハリスベネディクトの式」
多くの現場で使われる標準的な算出法

ハリスベネディクトの式とは

ハリスベネディクトの式とは、基礎代謝量(BMR:Basal Metabolic Rate)を算出するための古典的な計算式です。身体が安静状態で生命維持のために必要とするエネルギー量を求めることができ、医療・看護の現場だけでなく、スポーツ栄養の分野でも活用されています。

計算式の概要

ハリスベネディクトの式は、性別・年齢・身長・体重に基づいて計算されます。

・男性:BMR = 66.47 + (13.75 × 体重kg) + (5.0 × 身長cm) – (6.76 × 年齢) ・女性:BMR = 655.1 + (9.56 × 体重kg) + (1.85 × 身長cm) – (4.67 × 年齢)

この基礎代謝量に、活動係数(AF)とストレス係数(SF)を掛けることで、1日の総エネルギー消費量(TEE)が導かれます。 TEE = BMR × AF × SF

活用される分野

医療・看護領域では、患者への栄養投与量の目安として活用されます。また、スポーツ分野では、選手の競技特性やトレーニング強度に合わせた食事設計の基盤として使用されています。JISS(国立スポーツ科学センター)などでも、より精緻なエネルギー算出の一環として取り入れられています。

注意点と限界

この式は欧米人のデータを基にしているため、日本人に適用すると若干高めに算出される傾向があります。また、活動係数やストレス係数には個人差が大きく、科学的根拠が曖昧な場合もあるため、必ずしも精密な評価とは言えません。体組成(筋肉量や脂肪率)を考慮していないことも注意が必要です。

こんな人におすすめ

・自分の基礎代謝量を知ってみたい方
・トレーニングやダイエットの目安を知りたい方
・食事や栄養設計に科学的な基準を導入したい方

よくあるQ&A

Q:活動係数やストレス係数はどのように決めますか? A:活動量に応じて軽作業〜激しい運動までの範囲があり、ストレス係数は疾病や手術の有無によって調整されます。参考値は一覧表などで確認できます。

Q:JISS式との違いは何ですか? A:JISS式はスポーツ科学の視点から、競技特性や選手の体格に合わせた算出を行います。ハリスベネディクトは汎用性が高く、より一般的な指標です。

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 👉 JISS式 基礎代謝量計算(アスリート向け)
 👉 基礎代謝基準値┃日本人をベースにした基準値
 👉 Harris-Benedict式 基礎代謝量の計算(医療者向け)

【関連知識記事】
 👉 JISS式とは?計算の仕組みと活用法を解説
 👉 ハリス・ベネディクト式とは?計算の仕組みと活用法を解説
 👉 基礎代謝基準値とは?計算の仕組みと活用法を解説

【関連リンク】
 👉 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
 👉 厚生労働省|加齢とエネルギー代謝(e-ヘルスネット)
 👉 厚生労働省|1日のエネルギー消費構成(PDF)

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